生産性の大幅な向上と大型・長尺品生産の容易化
2017年2月27日、積水化学工業株式会社は、熱可塑炭素繊維強化プラスチック(以下、熱可塑CFRP)の連続異型成形技術を世界で初めて確立し、2017年度に熱可塑CFRP事業を開始すると発表した。
同技術は、従来の一般的なCFRP生産プロセスと比較して、生産性を大きく高めるとともに、大型・長尺品の生産を容易化することができる。
なお、CFRPは、軽さと強度を併せ持っており、金属を代替する素材として輸送用機器など様々な製品への応用が進んでおり、2017年度中には、豪雨時に地下街や地下鉄への浸水を防止するための止水板(減災用構造体)を発売する予定。
さらに、風車、トンネル、道路、河川施設等のインフラ・土木・建築分野や輸送用機器など幅広い分野での製品開発・提供を進めていく。
開発に成功したポイントとなる、3つの要素技術
熱可塑CFRPは、炭素繊維にプラスチックが含浸しづらい欠点があるが、束状の炭素繊維を一本ずつバラバラにして、粘度の高いプラスチックでも炭素繊維に含浸しやすくする「炭素繊維の前処理技術(開繊技術)」を開発した。
また、同社のパイプやフィルムなどで培われてきた押出成形技術を活用して、炭素長繊維と熱可塑性樹脂の「複合連続押出成形技術」を開発した。これより、長尺・大型化が容易になり、高生産性が実現される。
補強のために、鋳造物やプラスチック成形品の裏側に板状突起の付いた特殊リブ構造を、連続かつ同時に成形できる「異型成形技術」を開発した。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
積水化学 プレスリリース
http://www.sekisui.co.jp/news/2017/1300412_29186.html