2017年2月21日、Primetals Technologiesは、連続鋳造プラントの鋳型銅板に取付けられた温度計測用熱電対の検査ソリューションとして、熱電対の自動検査システム「Automatic Thermocouple Checker」を開発したと発表した。
連続鋳造機を運用する際、銅製の鋳型に流し込んだ溶けた鋼鉄(溶鋼)が温度低下して鋳型に固着すると、鋳型が破損して溶鋼が漏れ出す可能性があるため、鋳型の温度分布をできるだけ高い精度で計測することが重要だ。
これまでの熱電対による検査では、ガストーチや熱風ヒーターで鋳型の銅板を作業員が熱して、その部分に押し付けるように取り付けられた熱電対の温度計測結果を確認したため、銅板損傷が発生する、計測時間が長引く、あるいは熱電対への加熱条件が同一に再現できないなどの問題があった。
このたび開発したAutomatic Thermocouple Checkerは、熱電対を電気的に加熱するため、鋳型に設置した熱電対をすべて同一の条件下で、ほぼ全自動で検査することが可能だ。
同システムは、直線駆動ガイドに取り付けた加熱アームと計測・評価ユニットから構成される可搬式ユニットとして納入され、鋳型に取り付けられた熱電対コネクターに接続される。
検査の際には、システムの計測アームが指定された熱電対コラムまで移動し、熱電対が次々と自動的に加熱され、到達した計測温度を記録する。
コンピューターを利用した検査プロセスにより、熱電対の取り付け設定についても点検ができるため、熱電対の不具合による鋳型交換は最小限に抑えられ、メンテナンス頻度も低減するため、鋳型銅板への損傷も回避される。
銅板全体の検査完了後、正常な熱電対と不具合のある熱電対についてレポートが作成される。
収集された計測データは、品質管理を目的とした評価のために保存することも可能だ。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
Primetals Technologies プレスリリース
http://www.primetals.co.jp/japan/press/pdf/20170221.pdf