自動ラック倉庫向けの地震対策技術
2017年2月24日、大成建設株式会社は、自動ラック倉庫の地震応答解析を短時間で処理・分析し、低コストで実施できる解析・評価システム「TASSラック−シミュレーター」(以下、同シミュレーター)を開発したと発表した。
同社は、2012年に自動ラック倉庫に適用する制震装置「TASSラック−制震」を開発し、想定地震に応じた地震応答解析を行って、最適な制震装置仕様・台数を設定している。
しかし、一連の地震応答解析に時間とコストが掛り、新規ユーザーにとって導入検討の障壁となっていた。
そこで、同シミュレーターを開発し、制震装置導入の際の初期検討を効率化して、コスト低減を実現した。
「TASSラック−シミュレーター」の特徴
解析のための諸条件と、解析結果の分析・評価、制震装置の仕様・台数など設定機能を追加し、解析結果の図化や報告書作成などの自動化機能を整備した。
また、同社独自開発の3次元動的耐震解析プログラム「TDAPⅢ」を用いて、効率的な地震応答解析を行い、初期検討に費やす時間を従来より1/5程度に短縮した。コストも、従来に比べて1/10程度に抑えられる。
新設・既設に係わらず、標準的な構造部材を用いた自動ラック倉庫に適用でき、また、荷物の配置や荷重条件を設定できるため、より実際の運用に則した解析結果が得られる。
さらに制震装置導入の効果を事前に検証できるほか、既存自動ラック倉庫の地震被害を想定することも可能となった。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
大成建設 プレスリリース
http://www.taisei.co.jp/