大成建設は、2月2日、地下埋設物の影響を受けることなく、連絡立坑の築造を可能とする「坑内回収型上向きシールド工法」を開発したことを発表した。
また、この新工法を、大阪市の「新今里~寺田町幹線下水管渠築造工事」にて、連絡立坑3本の構築に適用したことを明らかにした。
これまでの「上向きシールド工法」では、地下に埋設物等がある際、地上部から回収作業を行うための上部空間が確保できないことから、連絡立坑の施工は非常に難しい作業として位置づけられてきた。
「坑内回収型上向きシールド工法」では、先端部のカッターおよびカッター駆動部を一体化した「内筒部」と、駆動部を収める「外筒部」から構成される「掘進機」を用いることで、従来の課題解決につなげた。
この、従来工法とは異なる仕様の「掘進機」が、連絡立坑の最上部に到達後、「内筒部」と「外筒部」を切り離し、まず「内筒部」を本線シールドトンネル坑内に吊り下ろして回収。その後、「外筒部」も分割して吊り下ろすことで、再利用しながら工事作業を進めるという。
この新工法を適用することで、地下埋設物下部の非常に狭い空間でも「掘進機」の解体や吊り下ろし作業ができるほか、トンネル内の「掘進機」移動がより簡単になることから、工事費も削減できるようになった。
また、「外筒部」の寸法を変更することで、掘削径を自由に変更することができるため、使用目的に見合った内径の連絡立坑を構築することも可能だ。
同社は今後、機能性をより高める研究を進めるほか、地下埋設物が多い地点における立坑築造に対しての適用を拡大し、さらなる施工性向上に努めていく方針である。
(画像はプレスリリースより)
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大成建設 プレスリリース
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