株式会社竹中工務店は11月10日、地震対策と暴風対策を両立させた「Tウィンド免震」を開発し、名古屋市中村区の超高層免震建物「ベルヴュオフィス名古屋」に初適用した、と発表した。
「Tウィンド免震」は、竹中工務店が商標登録出願済み。
ベルヴュオフィス名古屋は、オフィスとホテルを備えた23階建ての超高層ビル。アスペクト比(建物の高さ方向と幅方向の長さの比率)が約6.5のスレンダーな立面形状であるため、建物全体の耐震性と風荷重を受けた際の客室階の居住性の両立が重要な課題であった。
竹中工務店が新たに開発した「Tウィンド免震」は、免震機能に加え2段階の風対策を併用し、耐震性と良好な居住性を両立した超高層免震建物を実現した。
1つ目の風対策は、日常的な25m/s程度の強風に対して、風による免震層の変形を防ぐパッシブロックダンパー、高層階の居住性を確保するTMD(チューンド・マス・ダンパー)またはAMD(アクティブ・マス・ダンパー)を採用。
2つ目の風対策は、想定外の43 m/s以上の暴風に対して、オイルダンパーに新開発の衝突緩和用ゴムクッションを取り付けた「衝突緩和機構付きオイルダンパー」を設置し、免震層の過大な変形を防ぎ、建物の致命的な損傷を防止。
パッシブロックダンパーは、竹中工務店の登録商標。
Tウィンド免震システムは、高層階に補強等が不要なため、眺望が阻害さず、居住性を確保した高品質な設計が可能。特に、扁平な超高層建物に対して有効である。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
株式会社竹中工務店のニュースリリース
http://www.takenaka.co.jp/news/2016/11/04/index.html