液状化対策に流動閉塞杭
三井住友建設株式会社11月11日は、地震などによる液状化に伴う地盤の側方流動を抑制する「流動閉塞杭」を、流動閉塞杭配置の柱状改良体と地盤表層の改良体を組み合わせた構造体として実地盤で施工試験を実施し、設計・施工手法を確立した、と発表した。
技術開発は、港湾空港技術研究所および東京大学との共同開発。重力場での振動実験や遠心模型実験などは実施済み。
液状化に伴う地盤の側方流動を抑制する流動閉塞杭
東日本大震災では、広い範囲で地盤の液状化による被害が生じた。今後、東海・東南海・南海地震の発生が予測されており、液状化対策は緊急の課題である。
流動閉塞杭は、杭式深層混合処理工法における改良杭配置方法で、どの方向においても一定の範囲に柱状改良体が存在する。よって、地下水の流れは妨げないで地盤流動を抑制できるため、従来の整列配置や千鳥配置より液状化に伴う側方流動量を低減することができる。
また、改良杭方式のため改良体を連続させる必要がなく、既設の地中構造物に対しても適用可能である。
流動閉塞杭は、柱状改良体が表層改良体をサポートするため、地震直後であっても改良地盤上部を供用することが可能。
遠心模型実験は、港湾空港技術研究所で実施。流動閉塞杭は、無対策に対して側方流動量を20~25%程度に抑えることを確認。整列配置や千鳥配置と比較し、変位抑制効果が20%程度高いことも確認。
今後の展開
設計・施工手法を確立した流動閉塞杭方式を、護岸背後地盤や埋立地、堤防などの側方流動対策として積極的に活用する。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
三井住友建設株式会社のニュースリリース
http://www.smcon.co.jp/2016/111118136/