最適な座席配置設計を可能に
大成建設は、12月7日、劇場等の施設設計において、最適な座席配置を行うことを可能にする「見通しシミュレーション手法」を新開発したことを発表した。
これまでの計画段階においては、全ての座席から舞台までの見通しを把握することは難しく、室内環境のほか、観客の動線、歩行時の安全性の確保等、様々な要求水準に基づいた複雑な3次元形状になっていたという。
「見通しシミュレーション手法」の概要
今回新開発した手法では、建築外観の景観評価に活用してきたシミュレーションシステムの機能を拡張。評価対象がどの程度見えるかを示す指標「可視率」を、室内空間でも算出できるようにした。
この手法を採用することで、イベント別の座席配置や観客の特性に対応した舞台の見通しが確認できるほか、全ての座席から舞台を見たパースを作成することなく、全席の可視率の解析結果を可視化して色分けにより把握できる。
また、BIMデータをシミュレーションモデルに利用することで、大ホールであっても、可視率の解析から可視化までの表示を1ケース30分程度で完了。容易に座席計画を繰り返し検討することができるようになった。
見通しの良い設計を実現
同社は、この手法を、施設来場者の満足度の高い座席配置設計をサポートするツールとして活用していきたいとしている。
なお、今後、劇場や音楽ホールだけでなく、大会議場や会議室等の集会施設、競技場や体育館等のスポーツ施設の設計に適用していく方針だ。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
大成建設 プレスリリース
http://www.taisei.co.jp/