株式会社島津製作所は10月5日、超音波と光を用いてインフラ構造物の隠れた欠陥を非破壊で検出し画像化する新技術を開発し、事業化に向けて京都大学と共同研究を開始した、と発表した。
プラント、道路、鉄道の橋梁などのインフラ構造物は、経年変化や疲労による欠陥が発生する。インフラ構造物を維持管理するために、省力かつ効率的な検査方法が求められている。
従来の検査方法は、一般的に磁粉探傷試験や目視・打音検査などであった。しかし、磁粉探傷試験は、磁性を利用するため表面の塗膜を除去する必要があり、目視・打音検査は、作業者の熟練度に左右され判定のばらつきや見落としが問題である。
新非破壊検査技術は、超音波を検査物の表面に当て、振動による表面の微小な変位をレーザ照明およびカメラで検知する方法。
検査物の表面近傍に亀裂、剥離、空洞などの内部欠陥があると、その箇所が超音波の伝搬乱れとなって検出され画像として可視化される。
得られる画像は、目視やカメラ撮影と同様のため、簡単に欠陥の位置や形状を確認できる。基礎実験では、コンクリート表面付近に存在する微小なひび割れや表面から1cm以内の深さに存在する剥離など、目視では確認できない欠陥を検知できた。
また、新技術は、鋼材とコンクリートの検査を非破壊かつ単一装置で行うことができる。
京都大学と共同で、新検査技術の実証研究を2016年9月から開始した。また、今後3年後の事業化を目指し、インフラ管理者や検査事業者との連携も促進。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
株式会社島津製作所のニュースリリース
http://www.shimadzu.co.jp/news/press/n00kbc0000009wqp.html