野村不動産株式会社、野村不動産マスターファンド投資法人、株式会社竹中工務店は9月30日、新宿野村ビルに日本初の制振装置「デュアルTMD-NT」を設置した、と発表した。
TMD(Tuned Mass Damper)とは、建物の揺れと逆方向に動くおもりを用いて、建物の揺れを抑制する制振装置。デュアルTMDを長周期地震動の揺れ軽減対策として設置する例は、日本初である。
新宿野村ビルの最上部(52階、53階部分)内に1基700トンのTMDを2基設置し、「デュアルTMD-NT」(NTは「野村不動産」「竹中工務店」の頭文字)とした。
デュアルTMD-NTは、1基のおもりを2段積層ゴムとリニアスライダーで支持する。揺れ幅が小さい場合は積層ゴムがおもりを支持し、大きい場合はリニアスライダーがおもりを支持するスライド方式。その揺れをオイルダンパーで減衰し、揺れ時間と揺れ幅を大幅に低減する。
電力を使用しないため、停電時でも制振性能は低下しない。
設置前に比べ、大地震時の長周期地震動による揺れ幅を約20~25%低減、揺れ時間を約50%短縮することが可能。
ビル内の防災センターで常時、制振性能を監視し、安全を確認。
新宿野村ビルは、制振装置の設置とともに、株式会社NTTファシリティーズの建物安全度サポートシステム「揺れモニ」を導入し、ビル内の防災センターでリアルタイムに建物の揺れをモニタリングする体制を整えた。
これにより、入居テナントや来館者へ一層の居住性向上と安全・安心を提供する。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
野村不動産株式会社のニュースリリース
http://www.nomura-re.co.jp/cfiles/news/n2016093001115.pdf