三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は21日、加圧型複合発電システム(ハイブリッドシステム)の業務・産業用の実証機を東京ガスの千住テクノステーションに設置、火入れ式を開催したことを明らかにした。国立研究開発法人新エネルギー・産業総合開発機構(NEDO)による助成のもと、市場投入へ向けての実証試験を開始する。
このたびの実証実験で用いられる加圧型複合発電システムは、セ氏900度の高温で作動するセラミックス製の燃料電池である固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell、SOFC)と、マイクロガスタービン(MGT)を組み合わせたもの。
千住テクノステーションに設置された実証機は、2015年春から九州大学で実証運用されているプロトタイプ機に次ぐ規模となる250キロワット級で、発電効率55パーセントとなっている。
同システムにおいては、燃料の都市ガスを改質して取り出した水素や一酸化炭素と空気中の酸素を反応させ、直接電力を発生させる。またそののちの残燃料をMGTによる発電に利用する仕組みとなっており、MHPSによれば省エネルギーかつ高効率が実現可能であるという。
MHPSでは今後、トヨタ自動車株式会社と日本特殊陶業株式会社(NTK)の工場、そして大成建設株式会社の施設の3か所にも同様に実証サイトを設置予定だ。
各実証サイトでは同システムの多様な環境における運用効率や運転性、耐久性などを検証するとともに、コスト低減・量産に向けた取り組みを推進。これらを通じてノウハウの蓄積に努め、2017年度の市場投入を図りたい考えだとしている。
(画像はプレスリリースより)
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三菱パワー株式会社(旧:三菱日立パワーシステムズ株式会社)
https://power.mhi.com/jp/news/20160921.html