安藤ハザマは、壁面や凹凸面でも余す所なくコンクリートの湿潤養生ができる給水養生工法で、2010年に実用化した「アクアカーテン」を改良。電気化学的補修工法に適用した。
今後、インフラ維持更新事業に積極的に展開し、持続可能社会の推進に貢献するという。
「アクアカーテン」は、施工性に優れ、実用化から5年間で50万平方メートルを超える施工実績があり、平成23年度土木学会賞(技術開発賞)、2012年日本コンクリート工学会賞(技術賞)を受賞している。
電気化学的補修工法とは、塩害や中性化による劣化を受けた鉄筋コンクリート構造物に、直流電流を通電し、健全な状態のコンクリートに回復させる工法。
「脱塩工法」並びに「再アルカリ化工法」などがあり、劣化したコンクリートを取り壊すことなく健全な状態に回復できるため、環境にやさしい工法として注目される。
これを陸上構造物に適用するためには、コンクリート表面に仮設陽極材を保持し、その間に電解質溶液を供給しなければならない。
そこで、給水養生工法のアクアカーテンに着目。同工法は、大気圧により給水養生シートをコンクリート表面に貼り、均一な水膜を形成するため、鉛直壁面やトンネル覆工などのアーチ面に対しても水中と同じような養生環境が提供可能だ。
改良を加えることで、仮設陽極材の保持や電解質溶液の供給を実現した。
補修効果の検証には、40年間海洋環境で塩害を受けた鉄筋コンクリート梁に、同施工方法を用いた脱塩工法を適用。
その結果、通電日数の延長に伴い、コンクリート中の塩化物イオンの除去量が増加することを確認。また、補修後には、鉄筋の腐食電流密度が不動態状態を示す0.2マイクロアンペア/平方センチメートルを下回る水準まで低下した。
更に、実構造物に対する試験施工では、27年間供用された建物の中性化を受けた屋内壁面に、本施工方法を用いた再アルカリ化工法を適用。補修期間を通じて不具合なく施工でき、また、補修後の中性化深さも0ミリメートルとなり、期待される補修効果が得られた。
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安藤ハザマ プレスリリース
http://www.ad-hzm.co.jp/