安藤ハザマは、9月1日、山岳トンネルでの「連続ベルトコンベヤによるずり出し作業」の高効率化に成功したこと、また、トンネル断面や岩質に応じた最適なベルトコンベヤ設備を選定する「シミュレーションシステム」を新開発したことを発表した。
これまでの連続ベルトコンベヤでは、切羽とクラッシャーの距離が約60~100メートル必要とされてきた。たとえ能力の高いクラッシャーやベルトコンベヤ設備を設けたとしても、ホイールローダによる繰り返し運搬を余儀なくされることから、その運搬能力が課題として挙げられていたという。
今回同社は、施工中の「(仮称)敦賀半島第1トンネル浦底工区」工事で新開発の「高効率ずり出し方式」を適用。従来のベルトコンベヤによる工法と比較して、ずり処理時間は半分、掘削サイクルは25%短縮できたとされる。
具体的には、制御発破により設備破損の原因となる飛び石を抑制。また、クラッシャーを防護鋼材と衝撃吸収材で防護することで、切羽とクラッシャーの距離を近づけた。
さらに、ベルトコンベヤの延伸を3メートルごとにトンネル掘削サイクルに組み込むことで、切羽を止めることなく、切羽の進行に合わせて作業を実施できるようになった。
新方式の採用は、切羽のずり出しサイクルおよび、掘削サイクルの短縮につながるだけでなく、ホイールローダ作業を最小限に抑え、作業の省力化にも貢献するものとして期待が寄せられる。
今後、同社は、新開発のシミュレーションシステムを用い、各トンネルに適したずり出しシステムを構築し、トンネル施工の効率化をさらに進める方針だ。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
安藤ハザマ プレスリリース
http://www.ad-hzm.co.jp/info/2016/pre/