大林組、倒立振子を用いた大地震対応型TMD制震装置を開発

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大林組、倒立振子を用いた大地震対応型TMD制震装置を開発

2016年09月05日 02:00

コンパクトなTMD制震装置を開発

株式会社大林組は8月31日、大地震時に効果のあるコンパクトなTMD(チューンドマスダンパー)制震装置「ペアマスダンパー」を開発したと発表した。

高層建物は風や地震などで揺れると、長時間続く。この揺れは構造的には問題とならないが、居住性を悪くする。TMD制震装置は、揺れに同調する「重り」を用いて建物の揺れを抑制する装置。超高層建物の場合、地震時の建物の揺れを30~40%程度低減することが可能。

コンパクトで周期調整の簡素化を実現

超高層建物の耐震補強を行う場合、従来はTMD制振装置を屋上に設置するが、大きな設置スペースを必要とする。そのため、できるだけ装置をコンパクト化する技術が求められていた。

また、TMD制震装置は、建物の固有周期と同期をとるために施工時に大きな労力がかかる周期調整が必要だった。

そこで大林組は、振子と倒立振子の2つの振子を組み合わせ、装置のコンパクト化と周期調整の簡素化を実現したTMD制震装置を開発した。

振子と倒立振子の2つの振子でコンパクト化

単振子式の場合、超高層建物になるほどおもりとなる振子が長くなり、装置が大型化する。

ペアマスダンパーは、通常の振子と、おもりが上に位置する倒立振子を組み合わせ、通常の振子が元の位置に戻ろうとする力を倒立振子が倒れる力により打ち消す装置。振子の長さを短くすることが可能になり、TMD制震装置のコンパクト化に成功した。

周期調整の簡素化

ペアマスダンパーは2ヵ所に設置したおもりの重量比率を変えて周期の調整ができるので、作業を容易にし、装置の寸法は変えないで済む。

安全性を向上

建物とペアマスダンパーの間に転がり支承とダンパーで構成されたフェイルセーフ機構を設置。おもりが装置の限界変形量に近づくと作動を開始して装置に作用する力を制限し、おもりの衝突や損傷を防止する。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

 

大林組のプレスリリース
http://www.obayashi.co.jp/press/news20160931_01

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