自民党の建設技能者を支援する議員連盟は、地域建設産業の担い手確保・育成のための施策を講じ、女性従事者が働きやすい環境を整備することなどを内容とする決議を、23日に東京・永田町の党本部で開いた総会で採択した。
全建総連から建設国保(国民健康保険組合)の育成・強化など7項目に及ぶものである。地域経済を支える建設技能者の支援を強化するため、17年度予算に関する要望を受けた上で、所属議員の総意で採択し、各事項の実現を目指す。
若年入職者の減少が続いており、2020年東京五輪に向け関連施設やインフラの整備工事が進められる中、住宅建築だけでなく、インフラの整備や災害対策にも深刻な状況を招きかねない状況となっている。
建設技能者の環境整備と育成が喫緊の課題だとして、国の明確な方針と対応が求められるとした。
担い手確保・育成策に加え、建設技能者の賃金・労務単価引き上げなど就労環境を改善するため、13年4月以降4回にわたって引き上げられた公共工事設計労務単価を現場従事者に行き渡らせるようにすることも明記した。
建設国保の育成・強化、さらに建設アスベスト被害を根絶し、被害者の救済を図ることも盛り込んだ。
設計金額に反映させる労務単価の引き上げ分を、実際に現場の末端で働く技能者まで行き渡らせるようにする必要性が指摘された。
社会保険の加入原資となる法定福利費が確保されるよう国土交通省などの対応を求める声も上がった。
国交省からは、17年度に運用が始まる「建設キャリアアップシステム」について、登録機関技能者のシステムへの登録が講習とセットで行われるよう、16年度補正予算案でそのための費用を手当てすることが報告された。
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