株式会社富士通システムズ・イーストは9月5日、株式会社巴コーポレーションと共同で、AR技術を活用した製造部材診断の革新的システムを開発し、巴コーポレーションの小山工場で製造される立体構造物トモエユニトラスの実証実験を行った、と発表した。
新しいシステムでは、AR技術を利用して、3次元CADで設計したデータと現場で撮影した製造部材写真を重ね合わせ、設計図と実際の製造部材の違いを簡単に確認できる。
AR(Augmented Reality、拡張現実)技術とは、人間の感覚から得られる現実の情報に、ICTを利活用して得られたデジタル情報を重ね合わせ、人間の感覚を拡張・強化する技術で、富士通および富士通研究所が開発したもの。
体育館などの屋根部分で使用される無柱大張間建築物のトモエユニトラスを対象に、事前準備や診断などの時間、現場担当者の操作性、システムの精度、という観点からシステムの有用性を検証した。
これまで目視では診断が難しかった不具合、人為的ミスに起因する組立ミスや溶接時における軽微なズレなど、が検知できた。そのため部材の組立を早期にやり直すことができ、無駄な時間や手間を排除することができた。
1つの製造部材に対して写真と設計図の重なりの表示まで数分のため、診断の所要時間は、従来の目視による診断方法と比べて約10分の1まで短縮した。
巴コーポレーションは、新しいシステムを活用することで、製造部材が設計図通りに製造されているかどうかを事前に正確かつ効率的に診断できる。そのため製作現場における手戻りを防止することができ、工期短縮が可能になる。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
巴コーポレーションと富士通システムズ・イーストのプレスリリース
http://www.fujitsu.com/