株式会社大林組は9月6日、古野電気株式会社と共同で、マルチGNSS(Global Navigation Satellite Systems)を活用して地盤の挙動を高頻度で自動解析し、突発的な斜面崩壊の危険性を判断する「マルチGNSS地盤変位計測システム」を開発した、と発表した。
マルチGNSSは、米国のGPS、日本のQZSS(準天頂衛星システム)、ロシアのGLONASS、欧州連合のGalileoを統合的に活用した複数の衛星測位システム。マルチGNSS計測では、複数の衛星測位システムを用いることで、短時間でミリ単位の高精度計測が可能。
新開発のマルチGNSS地盤変位計測システムは、マルチGNSSを活用して高精度で高頻度に地盤変位を解析する。
従来地盤の挙動は、60分に1回の頻度で解析していたが、新しい計測システムでは、高感度のマルチGNSSセンサーの採用と新しい解析アルゴリズムの開発により、5分に1回の解析が可能となった。これにより突発的な斜面崩壊などの前兆を捉えることができる。
新開発のシステムには、ソーラーパネルとバッテリーを用いた自立電源を採用し、無線LANを備えているため、設置のための時間や手間を大幅に削減。
また、従来は計測会社が有人監視を行っていたが、新システムでは、独自開発したソフトウエアが無人で斜面崩壊などの危険性を判断するため、監視に人件費がかからない。
約2年間運用した場合、新システムの費用は従来の2分の1程度になる。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
株式会社大林組のプレスリリース
http://www.obayashi.co.jp/press/news20160906_01