焼成
焼成とは、一般的に原料を高熱で焼いて性質を変化させることである。
主に粘土を窯内で加熱処理し、石質にすることを指しており、窯でタイルを焼いて硬質にすることも焼成のひとつである。
■目的
焼成の目的は大きく分けて3つある。
・強度や耐食性を素地に与える
・焼成品に特定の色を発色させる
・原料から不要な成分を除去する
■工程
焼成は主に3工程に分かれている。
1.加熱を行うことで、原料から水分やバインダー(結合材)をなくす。それにより原料の粒子間の距離が狭まり、成形体の収縮が始まる。この時、成形体の表面と内部との温度差や収縮差が生じると、破損の原因になる。ゆるやかに温度を上げていくことで防止できる。
2.温度を最高まで上げる。ここでの最高温度や温度を上げる速度、保持時間によって、成形体の大きさや強度などが決まる。
3.成形体を冷却する最終段階である。原料によっては、収縮が起こる場合があるため、原料に合った速度で温度を下げていくことが重要である。
■種類
焼成は窯内の酸素量によって2種類に分けられる。
・酸化焼成
窯内の通気を良くすることで、燃焼に対して酸素量が十分にある状態で焼くこと。素地や釉薬の中の酸化金属と酸素が結合し、別の化合物へと変わることで、呈色(発色)する。
・還元焼成
窯内への酸素の供給を抑えた状態で焼くこと。釉薬や素地に含まれる酸化金属から酸素を除去することで、呈色(発色)する。釉薬や素地中の顔料が変化しやすく、色幅(窯変・ようへん)を表現できる。
※顔料
水やその他の溶剤に溶けない、着色用の固体粉末。主に絵の具、塗料、印刷インキ、プラスチックなどに用いられる。