塩害
塩害とは、鉄筋コンクリートでできた建築物や構造物、また植物などが塩分によって受ける被害を指す言葉である。
ここでは、鉄筋コンクリートでできた建築物・構造物が受ける塩害について述べる。
■鉄筋コンクリートが受ける塩害
鉄筋コンクリート内に取り込まれた塩分によって、鉄筋が腐食すること。塩分によって錆びた鉄筋は体積が2~3倍に膨張するため、コンクリートは内部から圧迫される。塩害が進むとコンクリート自体のひび割れや剥落、崩壊に繋がる。
■塩害の原因
・コンクリートをつくる際に用いられる骨材
海の砂などを骨材として使用した場合、骨材に含まれる塩化物イオンがコンクリート内部の鉄筋を腐食させる。
・海水
海中、もしくは海の近くに建てられた構造物に起こる塩害の原因。海中に含まれる塩化物イオンなどがコンクリート表面にできたクラック(ひび割れ)などから進入し、鉄筋を腐食される。
・凍結防止剤
豪雪地帯に建てられた構造物に起こる塩害の原因。路面が凍らないように散布される凍結防止剤に含まれる塩化ナトリウムがコンクリート内部に入り込み、鉄筋を腐食させる。
■塩害対策の例
・海の砂を使った天然骨材は使用しない(使用する場合はじゅうぶんに洗浄する)
・コンクリートと、コンクリート内部の鉄筋の表面に合成樹脂などでコーティングを施す
・かぶり(コンクリート内部の鉄筋から、コンクリート表面までの最短距離)を厚くとる