完成工事高
完成工事高とは、完成した工事の売上高、収益のことである。建設業では、一般業種で売上高にあたるところを、完成工事高と呼ぶ。このように建設業の経理は、他の業種とは少し異なり、会計の勘定科目(簿記で各勘定に対して与えられた名称)について独特な名称で呼ばれる科目(完成工事原価、完成工事未収入金など)がある。
※完成工事原価…請負工事契約に基づく工事の原価のこと。
※完成工事未収入金…工事完成引き渡し後の、発注業者に対する未収入金(まだ受け取っていないお金)のこと。
■建設業における収益の計上基準
建設業会計では、収益の計上基準について、工事完成基準と工事進行基準の2つがある。
工事完成基準…工事が完成し、その引渡が完了した日において収益を認識する会計処理方法。
工事進行基準…工事の完成度合いに応じて、収益を見積もり計上していく会計処理方法。長期請負工事の際、採用されることがある。長期請負工事は、契約によってあらかじめ収益の獲得が保証されているため、工事の完成引渡しの時点まで収益の認識を繰延べなくとも、そこから計算される利益に処分可能性が十分確保されると考えられるためである。