ウォーターハンマー
ウォーターハンマーとは、上下水道や工場の配管内を流れる水の速さが急激に変化することにより、管内の圧力が過度に上昇・下降する現象。水撃現象、水撃作用ともいわれる。
管内の圧力が過度に上昇・下降することによって水圧が管内を圧迫し、「コン」「カン」といった衝撃音を発生させる。バルブを急に閉めたり、ポンプが急停止してしまったりする場合に起こる。
ウォーターハンマーが起こることで、管路内の設備(ポンプ、配管、バルブなど)が破損する恐れがあるので注意が必要である。
ウォーターハンマーを起こさないためには、水の速さが急激に変化することを防げば良い。具体的には、以下のような対策が有効である。
・フライホイール(機械の回転が急停止することを防ぐ部品)を設置する
停電などが起こった際、フライホイールを設置しておくことでポンプの急停止を防ぐことができる。
・サージタンク(予備の水を溜めておくタンク)を設置する
管内を流れる水量が減り、水圧が降下した際にサージタンクから水を供給できるようにしておくことで、水柱分離(水と水の間に空気の層ができる状態)を防ぐことができる。
・配管の口径を広げる
口径を広げることで元々の流速が下がるので、急激な流れの変化を防ぐことができる。
このほか、配管内に空気弁を設置したり配管内を常に満水にしておくといった対策も有効である。