アルカリ骨材反応
アルカリ骨材反応とは、コンクリート内に含まれる水酸化カリウム・水酸化ナトリウムなどのアルカリ性水溶液が、骨材の成分と反応し、コンクリートが膨張やひび割れ、ポップアウト(コンクリート表面の剥離)といった劣化現象を起こすこと。アル骨ともいわれる。
アルカリ骨材反応は、全てのコンクリートで起こる劣化現象ではない。シリカ鉱物という鉱物を一定以上含む骨材を使用してコンクリートをつくった場合にのみ起こる。シリカ鉱物は火山岩や堆積岩に含まれることが多いため、骨材に天然骨材を用いる際は注意が必要である。
また、アルカリ骨材反応は、以下の2つの条件を満たしたときに進行する。
・コンクリート内部の湿度が80~85%以上になる
・コンクリート内部の水酸化物イオン濃度が高まる
■種類
アルカリ骨材反応は、コンクリート内のアルカリ性水溶液とどの物質が反応するかによって2種類に大別される。
・アルカリシリカ反応(ARS)
アルカリイオン、水酸基イオンと、骨材中に含まれているシリカとの間に起こる化学反応。最も多発するアルカリ骨材反応である。
・アルカリ炭酸塩反応
アルカリイオンとドロマイト質石灰岩が反応し、膨張を起こす反応。