下水道
下水道とは、下水(雨水と汚水の総称)を集め、公共の水域や海域に放流できる状態まで浄化・消毒を行う排水管、排水渠(はいすいきょ)、排水施設、下水処理施設(終末処理場)の集合体を指す総称。かんがい排水施設(農耕に用いる用水を排水する施設)とし尿浄化槽(し尿の処理を行う施設)は除かれる。
■目的
下水道は、主に以下の3つの目的のために設置される。
・水害の防止
雨水を市街地に滞留させず、速やかに排水設備へと導くことで水害を防止する。
・公衆衛生の改善…し尿を含む汚水を速やかに集めて消毒することで、病原体や細菌を除去し、公衆衛生を改善・保持する
・水質汚濁の防止…汚水中の有機物を分解することで、公共用水域の水質汚濁を防止する
■種類
下水道は、設置される場所や目的の違いにより以下の3つに大別される。
・公共下水道
主に市街地の下水を排水し、処理するための下水道。ほとんどが暗渠(あんきょ)によって構成されている。
各下水道ごとに終末処理場を持つ単独公共下水道と、下水処理を流域下水道に任せ、下水道自体では終末処理場を持たない流域関連公共下水道の2種類がある。
管理責任は市町村にある。
※暗渠…覆いをするなどして、外から見えないようになっている水路。地下に埋め込まれているものが多い。
・流域下水道
複数の流域関連公共下水道によって集められた下水をまとめて処理するための下水道。
管理責任は都道府県にある。
・都市下水路
都市部で集められた下水のうち、雨水のみを処理するための下水道。消毒や殺菌は行わないために終末処理場を持たない代わりに、雨水の流量を調節するための設備を有する。