グリース阻集器(グリーストラップ)
グリース阻集器(グリーストラップ)とは、公共下水道に流れ込む前の汚水から油分を除去するための除害施設。設備内は汚水に含まれる汚泥を取り除く設計になっているため、下水管や公共側溝の目詰まりを防ぐ効果もある。オイルトラップ、ガソリントラップ、油水分離槽、油分離槽ともいわれる。
グリース阻集器は、ガソリンスタンドや駐車場、自動車修理工場、レストランなど、多量のオイルが含まれる排水を排出する事業所に設置される。どの事業所に設置されるオイル阻集器であっても基本的な構造に違いはないが、オイルの性質によって設備内の構造には細かい工夫が見られる。たとえば、汚水内に含まれるオイルに引火の危険性がある場合(ガソリンなど)、設備内は空気の逆流を防ぐよう設計されている。
■基本的な構造
大きな水槽の中に受けカゴとトラップ管が備え付けられている。水槽内は3層構造になっており、汚水から油分を除去する流れは以下の通りである。
※トラップ管…外部からの虫・ゴミの侵入を防止するために曲げられた管。また、管内の気体が水槽内に逆流することを防ぐ機能も持つ。
各事業所から排出された排水が、水槽内に設置された受けカゴ(バスケット)に流れ込む
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<第1層>汚水内の大きな固体ゴミ(生ゴミなど)が、受けカゴによって取り除かれる
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<第2層>汚水内に含まれた水よりも重い沈殿物(汚泥など)は水槽の底に沈み、水よりも軽い油分は水面表層に浮上する↓沈殿した汚泥と浮上した油は、それぞれ水槽の下部と上部に取り付けられた仕切り板によって留められ、残った水が第3層へと送り込まれる
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<第3層>油脂分の少なくなった水がトラップ管を通り、公共下水道に送り込まれる