消化タンク
消化タンクとは、汚泥処理の工程の一種である「消化」を行う設備。汚泥内に含まれる有機物を、嫌気性細菌(酸素がない条件下で増殖する細菌)によって分解する。消化後の汚泥は消化汚泥といわれる。
消化タンクは、汚泥の減量と安全性を高めることを目的とした設備である。タンクには消化の工程で発生するガスを活用するためのガス捕集設備や、タンクを温めるための加温設備が備わっている。
※捕集されたガスは、加温設備の燃料などに活用される。
消化の工程は、以下の通りである。
・密閉状態の消化タンクに汚泥を入れる
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・酸素がない状態のタンクを、加温設備によって55度前後に温める
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・温めた状態の汚泥を攪拌しつつ、約20日間放置する
上記の工程の間に、汚泥に含まれる有機物はタンク内で増殖した嫌気性細菌によって「有機酸」「二酸化炭素」「水素」などに分解される。
その後、有機酸は嫌気性細菌により、更に「メタン」「硫化水素」まで分解される。
分解が終わり安定した汚泥(消化汚泥)は、消化工程前と比べて50~60%程度に減量されており、脱水・焼却しやすい性質に変質している。
■消化汚泥の特徴
・悪臭が少ない
・そのまま肥料として利用できる
・汚泥内の病原菌が死滅している
・濃縮汚泥と比べて脱水、焼却処理が容易