氷蓄熱方式とは

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氷蓄熱方式

氷蓄熱方式とは、昼間より割安となる深夜電力を使って、地下などにある蓄熱槽に氷を蓄えておき、その氷を昼間の冷房に使う経済的な空調設備のことである。おもに、工場・ビル・事務所・店舗・学校など大型施設で採用されている。
氷蓄熱方式のほかに、水を蓄えて利用する「水蓄熱方式」がある。蓄熱槽の水は、火災時の消防用水、災害時の生活用水にも利用できる。

氷蓄熱方式の長所
・深夜電力を使用するので、ランニングコストが安価である。
・冷凍機の負荷が一定なので、安定して効率よく運転できる。
・蓄熱量が多い。
・蓄熱槽が小さくてすむ。
・室外機が不要で、音がほとんど出ない。
・各部屋に送るポンプの容量を小さくできる。

氷蓄熱方式の短所
・水質管理に注意が必要である。
・シャーベット状の氷をタンク内に循環させるのにポンプの押し上げが必要なため、高層建築物には不向きである。

氷蓄熱方式の種類
・スタティック型…蓄熱槽内のコイルに氷を作る方式で、外融式と内融式がある。スタティック型は、構造が単純なため、小型から大型まで幅広く採用されているが、着氷により氷が厚くなると熱伝導抵抗が増すというデメリットもある。

※外融式…熱を取り出す際に、氷の周辺の水から取り出す方式。
※内融式…熱を取り出す際に、管内部の不凍液から取り出す方式。

・ダイナミック型…製氷場所から蓄熱場所に氷を移動させる方式で、過冷却型、氷片型、氷結晶型などがある。間欠的(一定の時間をおいて)に剥離を行うことで熱伝導抵抗の増加を回避している。

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