選択取水
選択取水とは、ダムから用途にふさわしい水を取るために、取水の水位を変えて異なる性質の水をくみ上げること。ダム湖の水温と濁度は水位によって3段階(表層・中層・下層)に変化するため、水の用途に応じて選択取水を行う必要がある。
ダム湖の水は表層(水面近く)が温かく、湖底に近づくほど水温が下がるという特徴がある。また、大雨などが降った場合は濁った水がダム湖内の表層に流れ込むため、一時的に濁度が変化する。
このようにダム湖では1つの水源地の中で水質や水温が変化するため、取水を効率的に行うために、用途に応じて適切な水をくみ上げる選択取水が行われる。
【例】
農業用水…作物を育てるための農業用水には、温かい水がふさわしい。そのため、農業用水用の水をくみ上げるときは、あらかじめ太陽の熱で温められている表層の水を取水する。
水道水…濁度が低く、アオコやプランクトンなどが比較的少ない層の水を取水する。