建設技術者のための人脈構築法【Vol.1】出まめ、電話まめで関係を深める

更新1121

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(16)建設技術者のための人脈構築法【Vol.1】出まめ、電話まめで関係を深める

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多くの人の力を借りながら建設工事を進めていく建設技術者にとって、人脈を構築することは欠かせない。一人でも多くの人と知り合い関係を深めることで、業務の巾が広がるし、新たな発想の源にもなる。
ここでは建設技術者が行うべき人脈構築法について考えてみよう。
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登場人物
地場建設会社 昭平建設
青木建一 現場担当 25歳
今野真一 係長 30歳
武上幸一郎 工事課長 40歳
岩下厳五郎 工事部長 50歳
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友達ランクをあげよう

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岩下;青木君、君の友達は多い方かい?
青木;学生時代の友達は多い方だと思います。
岩下;では仕事を始めてからの友達はどうだ?
青木;友達といえるような人は少ないかもしれません。

 

岩下;友達は次の4ランクに分けることができるんだ。
Aランク 無二の親友、Bランク 親友、Cランク 友人、Dランク 知り合い
私はこれを友達ランクと呼んでいる。
青木;そうなると、仕事関係ではほとんどDランクの知り合いです。

 

岩下;ではどうすれば、DランクからC,B,Aとランクアップするだろう。
今野;まめさ、でしょうか?
青木:まめさって何ですか。
今野;まめに連絡を取り合うことだよ。人脈が広い人は、ハガキ、メール、ファックス、電話を使ってとにかくまめに連絡をとっている。ある協力業者の社長は、工事が終わると、翌日必ず電話が入るんだ。「今回は、工事を無事終えることができありがとうございます。」と。内容はただ、それだけだけど、確実にその人との関係が深まることになる。Dランクの単なる「知り合い」だった人が、Cランクの「友人」に格上げされる瞬間だ。
青木;そんなにまめな協力業者さんだったら、また声をかけようと思いますね

 

今野;名刺交換をすると必ずハガキをいただける方もいる。手書きのエピソードが書かれているとうれしいものだよ。出会ったその日のうちにメールをいただく方もいらっしゃる。先日出会ったBさんは、出会って2時間後にメールを送ってくださった。おそらく電車の中で書いたと思われる内容で、こちらまで心が熱くなる。
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五まめで人脈作り

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岩下;そのようにまめに人に連絡することを「五まめ」という
青木;お正月のおせち料理のようですね。

 

岩下;五まめとは、出まめ、電話まめ、筆まめ、メールまめ、世話まめを言うんだ。出まめとは直接人に会うこと、電話まめとはまめに電話を入れること、筆まめとは、手紙やハガキを書くこと、メールまめとはまめにメールをすること、そして世話まめとは相手へのお世話をまめにすることだ。
青木;そんなにやらないといけないのですか。

 

岩下;人脈は一生の財産になる。仕事をスムーズに進めるために確実に役立つし、豊かな人生を送るためにも役に立つだろう。
青木;ではがんばって五まめで人脈を作ります。なにから始めれば良いですか。
岩下;まずは出まめ、電話まめからはじめよう。
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出まめ、電話まめ

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岩下;五まめのうち、直接会う出まめや直接話をする電話まめの効果が大きい
武上;私は、「会いたい人リスト」を作っているよ。工場検査や、廃棄物処理場の視察など遠方に出張するときは、その「ついで」にお会いするためだ。「ちょっと近くに来たから寄りました」とか「今、近くにいるのだけど会えないかな」などと電話をすると会ってもらえるものだよ。
岩下;遠方でなくても、いつも通る道沿いにお客様や協力会社がいれば、ちょっと寄るといい。確実に人と人との距離が近くなるものだ。
武上;電話も直接声が聞くことができるので、いいですね。

 

岩下;電話は声だけのコミュニケーションだからこそ、気をつけないといけないことがある。まずはじめの第一声を元気よくすることが重要だ。なぜならその第一声が相手の印象に残るからだ。携帯電話では、着信があると発信者の名前が表示されるので、「名前」を呼んで電話を受けるのも重要だ。「●●さん、お電話ありがとうございます。」などのようだ。名前を呼ばれれば親近感と大切にされている印象を与えることができるね。電話をかけるときには、「今、お話しできますか」と相手の都合を必ず聞くことも忘れてはいけない

 

武上;要件のある電話をするときには、無駄な雑談をする必要はない。前置きを短くし、まずは要件を伝えるようにする。たとえば、「要件が3つある」ことを伝えても良いだろう。そして最後にもう一度要件の確認をしておこう。
岩下;要件のない電話もいいものだよ。「声が聞きたかったから電話をしました」といった電話の使い方も有効だ。「お身体の調子はどうですか」などと自分のことは話さず、相手を気遣う言葉を伝えるとよいね。タイミングが合えば「いいところにかかってきた」「こちらから電話しようと思っていた」と言われるようになるものだよ。
青木;要件のない電話などしたことがないです。でも楽しそうだし、一度やってみます。
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建設技術者にとって人脈は欠かせない。工事をうまく進めるためには、一人でも多くの方と深い関係を持つことが有効だ。そのために「五まめ」を活用しよう。ちょっとした工夫で手間暇かけずに「まめ」なコミュニケーションを取ることができる。ぜひ活用して欲しい。

降籏 達生 ふるはた たつお

建設技術コンサルタント。ハタ コンサルタント株式会社 代表取締役。
ハタ コンサルタント株式会社 http://www.hata-web.com/
映画「黒部の太陽」に憧れて熊谷組に入社。ダム工事、トンネル工事、橋梁工事などの大型土木工事に参画。阪神淡路大震災を契機に技術コンサルタント業をはじめる。
建設技術者4万人の研修・育成、1,000件を超える現場指導を手がけ、建設業界からの信頼が厚い。
編集長をつとめるメールマガジン「がんばれ建設~建設業業績アップの秘訣~(http://www.hata-web.com/mail_magazine.html)」は、読者数12,000人を誇る、日本一の建設業向けメルマガとなっている。