今すぐできる建設業の顧客満足【vol.3】おもちゃ屋の店員はなぜサンタクロースになったのか

更新1024

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(4)今すぐできる建設業の顧客満足【vol.3】おもちゃ屋の店員はなぜサンタクロースになったのか

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建設業界で顧客満足を高めるために必要なこととは何だろうか。
3回目となる今回は、残念ながら不満足を感じさせてしまったお客様を、いかにして感動してもらい、リピーターとして戻ってきてもらうのかについて考えてみよう。

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登場人物:
地場建設会社 昭平建設
・青木 建一 現場担当 25歳
・今野 真一 係長 30歳
・武上 幸一郎 工事課長 40歳
・岩下 厳五郎 工事部長 50歳
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不満足だけど感動する?

腕組して考える男性----------
青木「お客様が口頭や文書で示した要望(ニーズ)に応えた工事をしないと『不満足』。これらに応えた工事をすると『満足』していただけるけれど、浮気されてしまう。しかし、要望(ニーズ)だけでなく、口頭や文書で示していないけれど我が社に期待する欲求(ウォンツ)に応え、超えることができるとお客様に『感動』していただき、リピーターになっていただいたり、別のお客様をご紹介いただける、とうことがよくわかりました。
でも実際には、私はよくお客様の要望(ニーズ)に応えられないことがあります」

 

今野「どういうときだい?」
青木「お客様の求める工期に間に合わなかったり、図面に記載の寸法を間違えたりしたことがあります。ラーメンを頼んだのに、随分待たされた後、牛丼が出てきたようなものですね」
今野「たとえが極端だけど、レストランに例えるとそうだな」
青木「そうすると『不満足』となり、二度とそのお店に行かなくなるように、我が社にも二度とご依頼いただけなくなるのですよね」

今野「『不満足』感はなかなか消えないね。ただ、不満足を乗り越えて、お客様に感動してもらうこともできるぞ」
青木「えっ、そんなことできるのですか」
今野「一言で言えば、『サプライズ』だ」
青木「サプライズって驚かせるのですか」

 

プレゼント今野「そうだ。事例で説明しよう。4才になる明菜ちゃんがいた。お父さんはクリスマスに明菜ちゃんのすきなおもちゃをプレゼントしようと考えたんだ。そして家の近くのおもちゃ屋でおもちゃを買い、12月24日の夜、明菜ちゃんの枕元に置いた」
青木「明菜ちゃんは喜んだでしょうね」
今野「12月25日の朝、目を覚ました明菜ちゃんは枕元のプレゼントを見てこういった。「パパ、サンタクロースがプレゼントを持ってきてくれたよ。私の欲しかったおもちゃだ」そして包みをあけたんだ。ところがその後、明菜ちゃんの声が聞こえない。不思議に思ったお父さんは「どうしたんだ」と聞くと、明菜ちゃんは「パパ、このおもちゃ動かない。。。」」
青木「故障していたのですか」

 

今野「そうなんだ。不良品だった。お父さんは、よりによって1年間でもっとも大事なクリスマスプレゼントに不良があったことに怒り心頭だった。そしてすぐにおもちゃ屋に行った。「子どもが楽しみにしていたプレゼントが故障しているとはどういうことだ」と」
青木「それは怒りますよね」
今野「おもちゃ屋の店員は、平謝り。しかしすぐに代替品がなく、夕方までに自宅に持っていることを約束した。そして夕方になった。明菜ちゃんがテレビを見ていると、「ピンポン」と玄関の呼び鈴がなった。明菜ちゃんは「はーい」と玄関に近寄りドアを開けた瞬間、「キャー」と声をあげたんだ」
青木「どうしたのですか」
今野「明菜ちゃんは「サンタさんが来たー」と叫んだんだ。そこにはサンタクロースが立っていた。そしてこういった。「クリスマスイブには故障したおもちゃを持ってきてしまってごめんね。代わりに間違いなく動くおもちゃを持ってきたので、これで遊んでね」」

屋根の上のサンタクロース

 

青木「そのサンタさんって、もしかしておもちゃ屋の店員ですか」
今野「そうだ。よくわかったね。その店員は、お詫びの意味で、値引きをしようか、おまけをつけようかと考えた。しかし値引きもおまけもお客様の期待していることではないことに気づいた。では、本当にお客様が望んでいることはなんだろうかと」
青木「確かに、ここで値引いてもらっても、お父さんはうれしくないでしょうね」
今野「では、お父さんは何を本当に期待しているのだと思う?」
青木「明菜ちゃんの笑顔でしょうね。明菜ちゃんに喜んでもらうためにプレゼントを用意したのでしょうから」
今野「そうだ。そこで明菜ちゃんが笑顔になる方法を考えたところ、サンタクロースの格好をして訪問することを考えたんだ。そのことで、お父さんの『不満足』が『感動』に変わった
青木「なるほど、相手の真の期待を知って、予想を超える方法で驚かせると、不満足を感動に変えることができるのですね」
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なぜ旅と読書が必要なのか

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今野「ではどうすれば、お客様を驚かせることで、感動させることができるようになると思う?」
青木「お客様をラーメンに誘って、リピーターになってもらえるようなスナックの女性になる方法ですね」

 

今野「人は、他人に驚かされた経験がないと、相手を驚かすことができないんだ」
青木「なるほど。確かに驚かされると、どうすると相手が驚くのかわかりますね」
今野「そのために重要なことは、旅と読書だ。初めての土地に旅にでかけると、観るもの聴く物が珍しく、すべてのことに驚くだろう。読書も同様に、著者が見知らぬ世界に読者を連れて行ってくれる。そのことで感性が磨かれ、人を驚かせるアイデアを思い浮かべさせることができるようになる。青木くんは、最近旅に行ったかい?」
青木「最近は忙しくて行っていません」
今野「忙しいとは心を失うと書く。自分の心の修行だと思って定期的に旅にでかけないと、いい仕事はできないぞ。読書はどうだ?」
青木「大学卒業以来、ほとんど読んでいません」
今野「それはいけないな。少なくても毎月1冊の本を読むようにしよう」
青木「工事の施工でお客様に満足していただけることと、旅や読書が関係するとは思いもよりませんでした。早速やってみます」
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顧客に感動してもらうためには、顧客の期待を大きく超える「サプライズ」が必要だ。「サプライズ」こそが顧客の気持ちを動かすのだ。そして顧客を驚かせ、感動させる能力を養うために、旅や読書を通じて自らの感性を磨き、驚き、ときめきの毎日を送る必要があるのだ。

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降籏 達生 ふるはた たつお

建設技術コンサルタント。ハタ コンサルタント株式会社 代表取締役。
ハタ コンサルタント株式会社 http://www.hata-web.com/
映画「黒部の太陽」に憧れて熊谷組に入社。ダム工事、トンネル工事、橋梁工事などの大型土木工事に参画。阪神淡路大震災を契機に技術コンサルタント業をはじめる。
建設技術者4万人の研修・育成、1,000件を超える現場指導を手がけ、建設業界からの信頼が厚い。
編集長をつとめるメールマガジン「がんばれ建設~建設業業績アップの秘訣~(http://www.hata-web.com/mail_magazine.html)」は、読者数12,000人を誇る、日本一の建設業向けメルマガとなっている。