鹿島建設は、6月13日、測量機器とソフトウェアを提供するニコン・トリンブル、三次元計測等を手掛けるルーチェサーチと共同で、大分川ダム建設工事においてドローンによるレーザ測量を行い、高密度・高精度な測量結果を確認したことを発表した。
これまでドローンによる写真測量は、ダム工事や造成工事で実績があり、大分川ダム建設工事においても適用してきた。しかし、高低差のある複雑な地形や、樹木伐採前の湛水予定池内の地形においては、高精度な測量データを得ることは困難であったとされる。
この測量方法では、地表面に向けてレーザを照射することで得られる距離と、機体に内臓されたGNSSとジャイロセンサーにより機体の位置情報を得られるため、これまでの写真測量のように、基準点設置の必要がない。
また、レーザ照射は、樹木や障害物の隙間を通り地表面まで到達するため、複雑な地形でも精度の高いデータが得られる。
さらに、機体は事前にPC上にて設定したルートに従い、最大30キログラムの搭載をしたまま自律飛行が可能なうえ、風速毎秒10メートルの状況においても、安定飛行することができるのがメリットだ。
今回の測量では、わずか13分の飛行時間で20ヘクタールの広さを測量。データ処理に要した時間は約6時間、地上レーザ測量の結果と比較しても、わずかな誤差範囲内の精度で測量することができたという。
これはドローンによるレーザ測量において、日本初の実用化と位置付けられ、同社では今後、ドローンによるレーザ測量と写真測量の両手法を使い分けることにより、工期やコスト面で最適化を図るとともに、より安価に適用できるよう、さらに開発を進めていく方針だ。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
鹿島建設 プレスリリース
http://www.kajima.co.jp/news/press/201606/