今すぐできる原価低減【vol.3】原価低減手法がわかれば結婚資金が貯まる?

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トンネル工事240180原価低減には5つのポイントがある。
これらを着実に実践することで必ず原価を低減することができる。

 

これまでにポイント1「旗を立てよ」、ポイント2「行き方を変えよ」、ポイント3「ムダを省け」、ポイント4「マイルストーンで改善せよ」について解説した。

 

今回は、工事が終わってからやるべきことを考えてみよう。

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登場人物:
地場建設会社 昭平建設
・青木 建一 現場担当 25歳
・今野 真一 係長 30歳
・武上 幸一郎 工事課長 40歳
・岩下 厳五郎 工事部長 50歳
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来た道を振り返れ

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岩下「さて、いよいよ工事が終わったとしよう」
青木「私はその時の充実感を味わうために、建設会社に入ったようなものです」
武上「そうだな。苦労すればするほど、完成したときの喜びは大きいものだ」
今野「トンネル工事の貫通の時の感動はすごいです。最後の発破がかかり、貫通した瞬間に風がピューと通り抜けます」
青木「貫通の時にはヘルメットにお酒を入れて飲むのだそうですね。私も飲んでみたいです」

 

岩下「しかし,工事が終わったからといって、工事管理者の仕事は終わりではないぞ。工事を登山に例えると、スタート地点からここまで歩いてきた道のりを振り返って,その成果をまとめ反省するとともに,次に登る人のためにそのデータを提供しなければならない。そこで5つ目のポイントは「来た道を振り返れ」だ。武上課長、説明してくれないか」

 

武上「今後のために結果をまとめておくことは,組織力を高めるために重要だよ。工事が終われば,工種ごとに、実際にいくらでできたのかを整理する。どの段階でいくらの仕入原価がかかっていて,そこにいくらの人件費がかかっていて,さらに協力会社はどれくらいの経費がかかっているのかについて,データを集める。機械や設備など工事現場以外で製作するものについては,工場に出かけて行って原価を調査することも必要だ。」

 

今野「実際にいくらかかったのかを調べるのですね」
武上「そうだ。協力会社に外注したとしても、払いすぎていたかもしれないし、逆に足りなかったかもしれない。それを把握することで、次回の工事において、どのような予算を立てればよいかを分析することができるんだ」
今野「どのように分析すればよいのですか」

 

武上「次の4つの分析が必要だ。まず、過去に行った同種工事の原価と比較する。二番目に、他の協力会社もしくは工事担当者が行った工事の原価と比較する。三番目に、同業他社の原価と比較する。最後に、「建設物価」など公表されている原価データと比較する」
今野「独りよがりの分析ではなく、他の会社や標準との比較をするということですね」

 

武上「さらに社内でデータを使えるようにするために次の点に留意しなければならない。要らないデータは捨て,要るデータのみにする、データを誰でもすぐに取り出せるようにする、データが誤っていたり,古くなっていないかを定期的に見直す、これらをやり続けることのできるようルール化する。このようにデータを常に最新にしておく必要があるんだ」

 

青木「よくわかりました。ここまで5つのポイントについて説明をしていただけたので、これからは原価低減することができそうです。山登りに例えるとわかりやすいですね。この方法を使えば、貯金が増えそうです」

 

結婚指輪240180今野「えっ、原価低減と君の貯金とどう関係があるんだ?」
青木「まず「旗を立てよ」で目標とする貯金の金額を決めます。「行き方を変えよ」でお金を増やす方法をこれまでとは変えてみます。株や外貨投資などにもチャレンジしてみようと思います。「ムダを省け」でこれまでお金のムダづかいしていたことを反省してクレジットカードを解約しようと思います。「マイルストーンで改善せよ」では毎月の貯金金額を算出して目標との差異を見て、予定どおりでないと計画を見直します。最後に「来た道を振り返れ」でもっとも有効だった投資先をまとめておくのです」

 

今野「なるほど、珍しく積極的だな」
青木「はい、結婚資金を貯めようと思っていますから!」

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ここまで原価低減の5つのポイントを説明してきた。
これらを実践するためには、ルール化やシステム化が必要だ。
では具体的にどのようなルールを作ればよいのだろうか。事例を挙げてみよう。

 

1. 旗を立てよ
① 予算検討会の開催
② 見積り査定方法の改善(3社相見積もりの義務化)
③ 標準単価との比較

 

2. 行き方を変えよ

① 設計検討会の開催
② VE提案作成の義務化
③ 標準納まり図の作成(納まりを標準化することにより外注単価を下げる)
④ 標準設計図の作成(設計をパターン化して設計工数を低減する)

 

3. ムダを省け

① 予算パトロールの実施
② 現場清掃のルール化(1日5回の清掃)→手戻りの低減
③ 協力会社自主検査システム(自主検査表を請求書に代用する)→手直しの低減
④ 現場における打合せルールの標準化(打ち合わせ内容、回数)

 

4. マイルストーンで改善せよ

① 月次予算進捗会議の開催
② 月次チェックのルール化
③ 月次にて残工事費、予想精算金額の算出
④ 常雇払いの禁止→必ず数量、単価で契約をして支払うルールとする

 

5. 来た道を振り返れ

① 現場反省会の開催
② 現場終了時に歩掛かりのまとめ→標準単価への反映

 

原価を継続して低減させるために、上記のようにポイント1~5をルールにして社内に習慣づけ、どんなに厳しい工事であってもムダのない施工をすることができるようにする必要がある。
そのために、決めたことを必ず定期的にで実施できるようにしていこう。

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降籏 達生 ふるはた たつお

建設技術コンサルタント。ハタ コンサルタント株式会社 代表取締役。
ハタ コンサルタント株式会社 http://www.hata-web.com/
映画「黒部の太陽」に憧れて熊谷組に入社。ダム工事、トンネル工事、橋梁工事などの大型土木工事に参画。阪神淡路大震災を契機に技術コンサルタント業をはじめる。
建設技術者4万人の研修・育成、1,000件を超える現場指導を手がけ、建設業界からの信頼が厚い。
編集長をつとめるメールマガジン「がんばれ建設~建設業業績アップの秘訣~(http://www.hata-web.com/mail_magazine.html)」は、読者数12,000人を誇る、日本一の建設業向けメルマガとなっている。