空気環境を守る大気汚染防止法 | 建設・設備求人データベース

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空気環境を守る大気汚染防止法

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2014年01月07日

 環境基本法では、人の健康を保護し生活環境を保全するために、大気の「環境基準」が定められています。

大気汚染防止法とは

工場や事業場から生じるばい煙や粉じんなどの排出を規制し、自動車から排出される排気ガスに係る許容限度を定めることで、大気汚染を防止するための法律です。

1962年に、石炭の燃焼による煤塵(ばいじん)を規制するために、日本で最初の大気汚染防止に関する法律として「ばい煙の排出の規制等に関する法律」が定められました。しかし、主要な燃料源が石炭から石油に移行したため、1968年に自動車排出ガスの規制も含めて大気汚染防止法が制定されました。

その後も、硫黄酸化物の総量規制、建築物解体に伴う石綿の飛散防止、揮発性有機化合物(VOC)の排出規制などを目的とした改正が行われました。

ばい煙の排出規制

 「ばい煙」とは、物の燃焼等に伴い発生するいおう酸化物、ばいじん(いわゆるスス)、有害物質をいいます。
有害物質には、1)カドミウム及びその化合物、2)塩素及び塩化水素、3)弗素、弗化水素及び弗化珪素、4)鉛及びその化合物、5)窒素酸化物 があります。

 ばい煙の排出基準には、①ばい煙発生施設ごとに国が定める基準である一般排出基準、②大気汚染の深刻な地域において適用される特別排出基準、③都道府県が条例によって定めるより厳しい上乗せ排出基準、④大規模工場に適用される工場ごとの総量規制基準があります。

ばい煙基準の順守

 ばい煙排出者は、施設から排出されるばい煙量又はばい煙濃度を測定し、その結果を記録しなければなりません。都道府県等の職員は、ばい煙排出者が排出基準を守っていることをチェックするため、工場・事業場に立ち入ることや必要な事項の報告を求めることができます。

ばい煙排出時の措置

 設備の故障や破損、その他の事故によって、ばい煙又は特定物質(資料-1)が多量に排出されたときは、排出者は直ちに応急の措置を講じて復旧に努めるとともに事故の状況を都道府県知事等に通報しなければなりません。

 <資料-1 特定物質>
 物の合成・分解その他の化学的処理に伴い発生する物質のうち、人の健康又は生活環境に係る被害が生ずるおそれがある物質で、次の28物質が定められています。
(1)アンモニア、(2)弗化水素、(3)シアン化水素、(4)一酸化炭素、(5)ホルムアルデヒド、(6)メタノール、(7)硫化水素、(8)燐化水素、(9)塩化水素、(10)二酸化窒素、(11)アクロレイン、(12)二酸化いおう、(13)塩素、(14)二硫化炭素、(15)ベンゼン、(16)ピリジン、(17)フェノール、(18)硫酸(三酸化硫黄を含む。)、(19)弗化珪素、(20)ホスゲン、(21)二酸化セレン、(22)クロルスルホン酸、(23)黄燐、(24)三塩化燐、(25)臭素、(26)ニッケルカルボニル、(27)五塩化燐、(28)メルカプタン

粉じんの排出規制

 「粉じん」は、物の破砕やたい積等により発生したり飛散する物質のことです。粉じんには、人の健康に被害を生じるおそれのある「特定粉じん」と、それ以外の「一般粉じん」があります。
 特定粉じんとして現在は、石綿が指定されています。石綿の工場・事業場の敷地境界における大気中濃度の基準は、1リットルにつき石綿繊維10本となっています。

粉じん基準の順守

 一般粉じん発生施設、特定粉じん発生施設を新たに設置又は構造等の変更をしようとする者もしくは特定粉じん排出等作業を行おうとする者は、事前に管轄都道府県知事等に所定の事項を届け出なければなりません。また、特定粉じん発生施設を設置している者は、工場等の敷地境界における石綿濃度を測定し、その結果を記録しておかなければなりません。

都道府県等の職員は、基準を守っているかチェックするため、工場・事業場に立ち入ることや必要な事項の報告を求めることができます。

有害大気汚染物質についての対策

 「有害大気汚染物質」とは、低濃度であっても長期的な摂取により健康影響が生ずるおそれのある物質のことをいいます。
 有害大気汚染物質については、早急に排出抑制を行わなければならない物質(指定物質)として、1)ベンゼン、2)トリクロロエチレン、3)テトラクロロエチレンの3物質について排出抑制基準が定められています。

用語解説

●石綿(アスベスト)
 天然の鉱物繊維で「せきめん」「いしわた」とも呼ばれています。極めて細い繊維で、熱、摩擦、酸やアルカリに強いため、吹き付け材、保温・断熱材、スレート材などの建材や、自動車のブレーキライニングやブレーキパッドなどの摩擦材などに使われてきました。しかし、吸い込むと石綿が肺に刺さり肺がんや中皮腫を発症することが分かり、現在では、原則として製造・使用等が禁止されています。

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