大成建設、建物単体で「年間エネルギー収支ゼロ」を達成 「都市型ZEB(R)」普及へ前進

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大成建設、建物単体で「年間エネルギー収支ゼロ」を達成 「都市型ZEB(R)」普及へ前進

2015年07月02日 17:00

都市部でのZEB化達成を目指す「都市型ZEB(R)」

大成建設株式会社は6月30日、神奈川県横浜市に建設した「ZEB実証棟」において、「都市型ZEB(R)」を目指した建物としては国内初となる、建物単体での「年間エネルギー収支ゼロ」を達成したと発表した。

ZEB(Zero・Energy・Building、ゼロ・エネルギー・ビル)は2009年に経済産業省が提案したもので、建物における消費エネルギーの削減とエネルギー創出を組み合わせ、年間のエネルギー収支をゼロとする建物のこと。

これまでのところ、郊外の敷地を活用し建物の外で創出されたエネルギーを収支に含めたり、エネルギー負荷の小さい低層の建物において基準のクリアを図ったりといった工夫が、ZEB化達成に当たり行われてきた。

これに対し、大成建設による「ZEB実証棟」は都心の狭小なエリアでもZEBを実現可能とする「都市型ZEB(R)」の実現を目指したもの。建物における利用者の快適性を保ったまま、オフィスビルが集まる都市部でZEB化を達成することが目標だ。

エネルギー収支ゼロを実証、それを助けるツールも開発

今回の実証試験で、大成建設では建物のエネルギー消費量のうち75%を「超省エネ技術」で削減し、残りの25%を太陽光発電による「創エネ技術」で賄うことを試みた。

また同社ではこれと併せて、今後のZEB普及に備えその検討・提案を補助する「T-ZEBシミュレーター」の開発を実施。このツールを用いることで、周辺環境を考慮したうえでの「創エネルギー量」と省エネルギー手法を導入した際の「エネルギー消費量」とのエネルギー収支について、多様なパターンで検討を行うことが可能だ。

そしてこのたび、同社では昨年6月からのべ1年間にわたる運用・実証を経て、「ZEB実証棟」における年間エネルギー収支ゼロを達成。これまで困難と考えられていた都市部のオフィスビルに対しても、ZEB化が可能であることを立証した形となる。

2030年までに「ZEBの普及拡大」を

今後大成建設では「T-ZEBシミュレーター」の解析へ今回集積した実証データを反映させ、各種計画・評価や年間エネルギー収支の検討を高精度かつ短時間で行えるよう取り組む構えだ。またZEB化を実現する「超省エネ技術」と「創エネ技術」についても、更なる高機能化・コスト削減を推し進めるとしている。

また同社ではこうした取り組みを踏まえ、全国の新築・既存の建物に対しZEB化にかかる提案を推進。2020年までに「市場性のあるZEBの実現」、そして2030年までには「ZEBの普及拡大」を図る考えだ。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

 

大成建設株式会社 プレスリリース
http://www.taisei.co.jp/about_us/release/

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