日立の「アナモックス菌」による工場廃水処理向け高速窒素除去システムが稼働

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日立の「アナモックス菌」による工場廃水処理向け高速窒素除去システムが稼働

2014年02月12日 19:00

国内大手化学メーカーの工場向けに納入

株式会社日立製作所(以下:日立)と、同社の100%子会社である株式会社日立プラントサービスは、6日、日立が開発した、アナモックス菌という微生物を用いた工場廃水処理向け高速窒素除去システムの初号機が稼働開始したことを発表した。

「アナモックス」は「嫌気性アンモニア酸化」で「Anaerobic Ammonium Oxidation」の略称。アンモニアと亜硝酸から直接窒素ガスを生成することができ、処理速度が速いという特長を有する。

今回、このアナモックス菌を用いた先進の工場廃水処理システムが、国内大手化学メーカーの工場向けに納入された。アナモックス反応槽の容量は約100立方メートルで、同様のシステムとしては国内最大級になる。

(画像はニュースリリースより)

2005年から実用化へ向けて研究

日立は、2005年11月から3年間、日本下水道事業団と共同で、アナモックス菌を用いた高速窒素除去システムの研究を行った。その結果、下水汚泥の脱水ろ液を対象とした基本的な窒素処理システムを確立。

さらに、2009年7月からは、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「省水型・環境調和型水循環プロジェクト」に参画。新機能微生物利用技術の開発として、アナモックス菌を用いた高速窒素除去システムの産業廃水への適用に取り組んできた。

ランニングコスト7割削減

日立によれば、今回稼働したシステムは、富栄養化の原因物質として規制の対象となっている廃水中の窒素成分を、高速で効率的に処理することが可能。従来方式のシステムと同等の窒素除去性能を有しながら、ランニングコストを7割削減し、6割の省スペース化を実現できるという。

同社は、今後、化学工業、半導体工業などを中心とした、アンモニアを使用する各種工場廃水処理向けに展開を図りたいとしている。

▼外部リンク

 

アナモックス菌を用いた高速窒素除去システムが稼働開始
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/

株式会社日立製作所
http://www.hitachi.co.jp/

株式会社日立プラントサービス
http://www.hitachi-hps.co.jp/

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