原子力プラントとは

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原子力プラント

原子力は、エネルギー資源に乏しい我が国にとって、貴重なエネルギー源です。1954 年から原子力プラントの建設行われ、2011 年3月の東日本大震災前には、54 基の原子力プラントが稼働していました。

原子力プラントのしくみ

原子力プラントの仕組み" src="https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/s3-ten-navi.com-wpimg/plant/wordpress/wp-content/uploads/2012/11/cafdb2667443fa8a8949a80193ebedee-300x174.jpg" alt="" width="300" height="174" />原子力プラントでは、ウランの核分裂によって発生する熱を利用して蒸気をつくり、巨大なタービンを回して発電します。
日本で主として採用されている原子炉は、軽水炉と呼ばれるものです。軽水炉は、世界の原子力発電の中心となっており、沸騰水型(BWR)と加圧水型(PWR)の2種類があります。
BWR は原子炉の中で蒸気を発生させ、それにより、直接タービンを回す方式で、PWR は原子炉で発生した高温高圧の水を蒸気発生器に送り、そこで蒸気を作ってタービンを回す方式です。
東日本大震災前に運転中であった原子炉54基のうち、BWR が30基、PWRが24 基でした。
2010 年度の原子力発電電力量は、我が国の総発電電力量の30.8%で、アメリカ、フランスに次いで世界3番目の設備能力でした。

原子力プラントの建設

原子力プラントの建設には、プラントの基本計画から系統・配管設計、電気計装、建屋設計、炉心・燃料設計、安全解析、機器設備製作、建設工事、品質管理などの技術が必要です。電力、プラントメーカー、材料・部品メーカー、建設会社などが協力して建設を行います。
原子力プラントの立地は、周辺の人口密度が低いこと、地盤が良好であること、冷却用水が得やすいことなどです。

原子力プラントのメーカー

日本では1960年代に米WH社から三菱重工がPWRを、米GE社から日立・東芝がBWRの技術を習得して初期の発電所を建設しました。その後、技術力を高め、国産化していきました。
現在では、欧米メーカーに比べ設計、製造、建設でも優れた技術を持っています。
欧米メーカーは、必要な企業規模を維持していくために、国境を越えたメーカー間の再編が進みました。その結果、原子力プラントメーカーは寡占化が進んでいます。


原子力プラントメーカーの集約" src="https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/s3-ten-navi.com-wpimg/plant/wordpress/wp-content/uploads/2012/11/cc9f02e027dcf583a92db8392fe74ecc.jpg" alt="" width="650" height="579" />

核燃料サイクル

原子力発電所から出た使用済燃料を再処理し、ウランや新たに生まれたプルトニウム等の有用資源を回収して再び燃料として活用するのが核燃料サイクルです。
原子力発電の燃料となるウランは、ウラン鉱石の形で鉱山から採掘され、様々な工程を経て燃料に加工されます。発電後には、使用済燃料を再処理することにより、有用資源であるプルトニウムとウランを回収します。プルトニウムは、プルサーマルと呼ばれる方式で現在の軽水炉で利用されます。
(1)製錬
ウラン鉱山からウラン鉱石を採掘し、化学処理してウランを取り出します。
(2)転換
製錬したウランを次の濃縮工程のためにガス状にします。
(3)濃縮
天然状態で約0.7%であるウラン235 の濃度を、軽水炉による発電に適した濃度である3%~5%に高めます。
(4)再転換
ガス状のウランをパウダー状にします。
(5)成型加工
パウダー状のウランを焼き固めてペレットにした後、燃料に加工します。
(6)使用済燃料の中間貯蔵
使用済燃料が再処理されるまでの間、中間貯蔵を行います。
(7)再処理
使用済燃料を再処理します。(独)日本原子力研究開発機構東海研究開発センター核燃料サイクル工学研究所の再処理施設のほか、英国とフランスに委託して再処理してきました。日本原燃(株)が、青森県六ヶ所村に我が国初の再処理施設の建設を進めています。
(8)MOX 燃料加工
再処理施設から回収されるウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)を、プルサーマル発電で使用するMOX 燃料に加工します。

放射性廃棄物の処理

原子力発電に伴って生じる放射性廃棄物については、適切な処理・処分を行います。
(1)低レベル放射性廃棄物
原子力プラントから発生した低レベル放射性廃棄物は、全国の原子力発電所内の貯蔵施設や青森県六ヶ所村の日本原燃(株)で埋設処理されています。
再処理施設やMOX 燃料加工施設から発生した長半減期低発熱放射性廃棄物(TRU 廃棄物)は、(独)日本原子力研究開発機構と日本原燃(株)において、保管され、ウラン濃縮施設やウラン燃料成型加工施設から発生したウラン廃棄物は、民間のウラン燃料加工業者等に保管されています。
(2)高レベル放射性廃棄物
再処理により発生する高レベル放射性廃棄物は、ガラス固化し、30 年~50年間程度貯蔵して冷却した後、地下300 mより深い地層に処分されます。地下深くの安定した地層(天然バリア)に、複数の人工障壁(人工バリア)を組み合わせた「多重バリアシステム」を用いることによって安全を確保できるようにしています。

原子力プラントの解体

一部の原子力プラントでは、利用から既に50 年以上が経過し、施設の解体が始まっています。燃料搬出後、まず配管内等に付着している放射性物質を除去し、その後5~10 年ほど放射能の減衰を待つため安全に貯蔵し、そして最終的に解体します。
原子力プラントの廃止に伴って発生する解体廃棄物の総量は、110 万kW 級の軽水炉の場合、約50~54万トンとなります。


原子力プラント解体の流れ" src="https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/s3-ten-navi.com-wpimg/plant/wordpress/wp-content/uploads/2012/11/cc0a6485a35091bf53d6dd0115bbf19b.jpg" alt="" width="650" height="405" />

用語解説

※プルサーマル
使用済燃料の再処理により回収されるプルトニウムを、MOX 燃料に加工して軽水炉で利用する方法です。

※軽水
普通の水のことを指し、軽水炉の減速材、冷却材等に用いられます。
核分裂によって新しく発生する中性子は非常に高速です。そこで、核分裂を引き起こしやすくするために高速中性子を減速させます。軽水炉では、軽水を減速材として用います。また、核分裂によって発生した熱を炉心から外部に取り出す冷却材にも軽水を用います。

※原子力発電所運転責任者
原子力発電所運転責任者とは、原子炉の稼動を指揮し、管理するための国家資格です。原子力に関しての幅広い専門知識だけでなく、原子炉の運転操作を熟知し、非常事態発生の時の適切な措置が行える事も大切です。原子力発電所運転責任者の試験を受験するためには、原子炉の運転に関わる経験が5年以上ある事など細かく条件が設定されています。
原子力発電所運転責任者の業務は、原子力施設内の運転員の教育や訓練にまで及びます。安全に原子炉を稼動させるためには、常に社内で、これらの教育や非常事態発生時を想定した訓練を行う必要があります。多くのスタッフをまとめる統率力も必要です。

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