今すぐできる建設業の顧客満足【vol.2】なぜスナックの女性はお客様をラーメンに誘うのか

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(4)今すぐできる建設業の顧客満足【vol.2】なぜスナックの女性はお客様をラーメンに誘うのか

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あらゆる仕事において、お客様に満足していただかないと業績は向上しない。
建設業は他産業と違って、一品生産である。一品ごとお客様の要望や欲求が異なるのでその都度確認しながら工事を進めないと顧客不満足となってしまう。

前回に引き続き建設業における顧客満足について考えてみよう。
2回目となる今回のテーマは「なぜスナックの女性はお客様をラーメンに誘うのか」だ。

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登場人物:
地場建設会社 昭平建設
・青木 建一 現場担当 25歳
・今野 真一 係長 30歳
・武上 幸一郎 工事課長 40歳
・岩下 厳五郎 工事部長 50歳
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お客様の要望に応えているだけでは浮気される

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青木「社長がよく言われる『顧客満足度を高めることが大切だ』ということは、顧客の期待をよく知り、それに応えることだ、ということはよくわかりました。私たちは、お客様の話を良く聴いて、それに沿った工事をすればよいということですね」
今野「それが大切なことだ。でもそれだけでは不十分だぞ」
青木「えっ、それはどういうことですか」

今野「青木くん、例えば居酒屋でビールが欲しいといえば、ビールが出てくると満足を観じるかい?」
青木「はい」
今野「ではそのビールがぬるかったらどうだ?」
青木「それは不満足です」
今野「店員は『冷えたビールが欲しければ、冷えたビールが欲しい、と言ってください』というかもしれないぞ」
青木「そんな居酒屋には二度といかないですね」
今野「そうだね。ビールが欲しいと言った時点で、言葉には出さないがよく冷えていて欲しいという期待があるので、その期待に応えないと不満足になってしまう」
青木「口には出さない期待があるのですね」

今野「では、その居酒屋の隣に新しく居酒屋ができたとしよう。青木くんは、その新しいお店に行ってみたいと思うかい?」
青木「どんなお店かによりますが、少しだけでも様子を見に行きたいという気持ちになりますね」
今野「そうだね。それは『浮気』というんだ。」
青木「満足しているのに浮気してしまう、ということですか」
今野「そうだ。どうしてもその居酒屋が好きだったら、たとえ新しい居酒屋が近くにできても浮気しないはずだ。」

青木「ではどうすれば、浮気されずにすむのですか」
今野「期待を超えることだ」
青木「期待を超える?」
今野「相手の期待していることを想像して、それを超えることをする。例えば、居酒屋の後に、女性のいるスナックにいくとしよう」
青木「いいですね。今野さん連れて行ってください」
今野「青木くんはそこでお店の人になにを頼む?」
青木「いつもはウイスキーの水割りとピザを頼みます」
今野「ウイスキーとピザを食べた後、時間も遅くなり、いよいよ帰る時間になった。席を立ったとき、その女性が、『青木さん、ラーメンを一緒に食べたいな』といってきたらどうする?」
青木「もちろん、その女性とラーメン食べに行きます」
今野「ラーメンを2人で楽しく食べたとしよう。その後どうする?」
青木「またそのお店に行きたくなります」
今野「他には?」
青木「そうですね、誰かにそのお店を紹介しますね」

今野「それが、期待を超えるサービスなんだ。そして期待を超えるサービスを受けると、人はリピーターとなり、他人を紹介したくなる
青木「えっ、私が好かれているのではないですか」
今野「ちがうよ。その女性は青木くんが楽しく話したいとおもっているという期待を超えるために、ラーメンに誘ったんだ。その結果、リピーター、紹介客を獲得することができるんだ」
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期待を超える仕事をすると儲かる

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今野「お客様が口頭で話したり、紙に書いてお店や会社に期待する事を「要望(ニーズ)」といい、口頭や紙に書いていないけれど、お店や会社に期待することを「欲求(ウォンツ)」という。青木くんがスナックに期待した要望(ニーズ)は何だろう」
青木「口に出して話したことは、ウイスキーの水割りとピザですね」
今野「そうだね。では口に出さないけれど期待したことは何だろう」
青木「言いにくいですが、女性と仲良くなることですね」
今野「スナックの女性はその青木くんの欲求(ウォンツ)に応え、さらに超えるよう、ラーメンに誘ってくれたんだよ」
青木「なるほど、そうなんですね。僕のことに好意があったのかと思いましたが、お店の戦略だったのですね」

今野「口や紙に書いた要望(ニーズ)に応えると『満足』はするけれど、浮気される。しかし口や紙に書かない欲求(ウォンツ)に応え、超えると『満足』を超え、リピーターになったり、別のお客様を連れてきてくれるようになる。これを感じて動くことから『感動』の関係というよ。」
青木「それは私たちの仕事でも同じことですね」

今野「そうだ。お客様が口頭や文書で示した要望(ニーズ)に応えた工事をしないと『不満足』。これらに応えた工事をすると『満足』していただけるけれど、浮気されてしまう。しかし、要望(ニーズ)だけでなく、口頭や文書で示していないけれど我が社に期待する欲求(ウォンツ)に応え、超えることができるとお客様に『感動』していただき、リピーターになっていただいたり、別のお客様をご紹介いただけるんだ」
青木「ではお客様がどんな欲求(ウォンツ)を持っているかを知ることが重要なのですね」
今野「お客様に『感動』していただきリピーターになって何度も購入してくださったり別のお客様を連れてきていただけると、結果として自社の業績向上につながる。つまり儲けるためには、欲求を超える工事をしないといけないね。例えば予定工期よりも早く仕事を終えたり着工式や竣工式を演出すること、お客様の心配を先取りして頻繁に連絡をすることなどが重要だよ」
青木「わかりました。では早速、スナックのリピーターとして、友人を誘って行ってきます!」
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真の顧客満足とは、顧客の期待を知り、それを超える工事をすることだ。
そのためには、顧客が口頭や文書に示さない期待を知り、それに応えることが必要になる。顧客の表情や仕草、またいろいろな角度から質問をすることで、真に期待していることを聞き出すことが重要だ。

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降籏 達生 ふるはた たつお

建設技術コンサルタント。ハタ コンサルタント株式会社 代表取締役。
ハタ コンサルタント株式会社 http://www.hata-web.com/
映画「黒部の太陽」に憧れて熊谷組に入社。ダム工事、トンネル工事、橋梁工事などの大型土木工事に参画。阪神淡路大震災を契機に技術コンサルタント業をはじめる。
建設技術者4万人の研修・育成、1,000件を超える現場指導を手がけ、建設業界からの信頼が厚い。
編集長をつとめるメールマガジン「がんばれ建設~建設業業績アップの秘訣~(http://www.hata-web.com/mail_magazine.html)」は、読者数12,000人を誇る、日本一の建設業向けメルマガとなっている。